算数得意化プロジェクト
算数が得意になりたいと願うすべての子どもたちのために…

 プリント設計コンセプト

 算数の学力を向上させるために、どの時期にどの教材をどういったペースで与えたらよいか。こういったことを真剣に考える中で、既存の教材の中で「あっ!これいいなあ」と思うものもたくさんあります。だけど「こういったのが欲しいんだけど…」と思ってもないものもある。ここで作成した何種類かのプリントは、既存のものでよいものがなかったので作成しました。既存のもので、不満を感じる点は2点あります。

 ひとつは、しっかり生徒の様子を観察して考えて設計されているかどうかという点、もうひとつは、しつこさがたりないという点です。算数は特に積み重ねが必要な教科ですから、前に学習した単元が理解できていなければ次に学習する単元が理解できないといった問題が頻繁に起こります。ですからひとつの単元を学習したら、理解できるようになるまで時間をかけて練習する必要がある。特にその単元が後々の学習に影響を及ぼすような単元であれば、1年かかろうが2年かかろうができるようになるまで練習する必要があるのです。そういった単元の問題であれば1日10問×365日=3650問。できればこのくらいの問題数は欲しい。だけどこれだけの問題を1問1問しっかり吟味して作ることは現実には困難です。だから実際には多くても1つの単元につき50問くらいしかのっていない問題集が多い。だけど50問の問題を毎日繰り返し解いていたらそのうち覚えてしまいます。「12番のさくらさんとまこさんがプリンをわける問題はたし算で解ける」とか…。覚えられないようにするためにはどうしたらいいのか。問題数は100問でいいから、毎回並び順が変わってプリントアウトされればいいんです。もうひとつは、問題を作成するときに似たような文章だけど、計算過程が違うタイプの問題を作っておくことです。「ミックス文章題」の中にはさくらさんとまこさんがプリンをわける問題が何問かありますが、計算がたし算になる問題とひき算になる問題と両方あります。

 2008年5月7日現在、完成しているのは「ミックス文章題+&−」「ミックス文章題(四則)」「ハイブリッド文章題」「分数+−計算プリント」「小数−単位換算プリント」の5種類です。この中で「ミックス文章題+&−」「ミックス文章題(四則)」「ハイブリッド文章題」「分数+−計算プリント」の4種はそれぞれ問題が、110問、210問、160問、271問ずつ作成してあって、これが順番を変えながら1週間に7枚ずつ提供される設計になっています。
「小数−単位換算プリント」は乱数を利用して作成しているので、数字の異なったプリントが何種類も作成されます。

 基本的にはこれらのプリントの中から計算で1枚、文章題で1枚の計2枚を毎日やってもらえれば学力は確実に向上すると思います。1枚のプリントがだいたい2〜8分程でできるように設計してあるので、1日10分でこれを片付けて欲しい。学校や塾で出される宿題をきちんとやることも大切なことなので、これらのプリントを言い訳に宿題をさぼってはいけません。1日10分という時間はそういった理由で設定してあります。

 計算のプリントについては市販のもので使えるものもありますし、学校の宿題で「計算ドリル」を出されることも多いと思うので、たとえば1週間のうち4日は「計算ドリル」をやって、3日は「小数−単位換算プリント」をやるといった設定を、各ご家庭でされるといいかと思います。

 文章題のプリントは、現在の学習にプラスして毎日1枚ずつやると学習効果が高いと思います。1日に5枚とか10枚やって効果が5倍、10倍になることはないと思いますから、そんなことに無駄な時間を使わないようにしましょう。