算数得意化プロジェクト
算数が得意になりたいと願うすべての子どもたちのために…

 基本的な文章題を得意にしたい…
  まずこのページを読む前に、次のプリントを印刷して解いてみて下さい。小学校2年生のレベルの問題なので3年生以上であれば、それほど難しくないと思います。

test2.pdf へのリンク






できたら答え合わせをしてみましょう。答えは
1 (1)12,(2)28,(3)111,(4)124,(5)195
2  25−13= 12(こ)
3  32−13= 19(人)
4 152−31=121(人)
ここまではあまり迷わずに解けたと思います。もしかしたら、1問くらいは計算ミスをしてしまったかもしれませんが、計算ミスであればここでは特に問題はありません。

5 133+24=157(ばんめ)
6 125+38=163(ページ)


ここで問題になるのは、この2問の式を間違えなかったかどうかです。
 急にたし算が出てきたのでびっくりした生徒もいると思いますが、小2の問題なのでよく読めばできたはずだと思います。
 もしもここで式を間違えてしまった場合、原因は「文章をしっかり読んで、よく考えなかった」からだと思います。どうして「文章をしっかり読んで、よく考えなかった」んだろう?

どうして文章しっかり読まずに解いちゃったんだろう…

 5番の問題と6番の問題を比べると、6番の問題の方がたし算ってわかりやすくなっています。6番の問題にはたし算に使われることの多い「全部で」というキーワードが使ってあるからです。だから6番を解いたときに「あったし算がある!」って気づいた生徒はけっこう多かったと思います。
 これに比べ5番の問題には明らかにたし算ってことがわかるキーワードが使ってありません。問題文は前の4番によく似ています。だけど4番はひき算で5番はたし算になるのです。
 おそらくみなさんが今まで学校や塾で受けてきたテストの中には、こんな意地悪なテストはテストはなかったと思います。だからついうっかり全部ひき算だと思ってひいてしまった人も多かったんじゃないかな。

 実はみなさんが今までずーっと受けてきたテストは、なに算で解くかがキーワードだけで判断できたり、そもそもほとんど問題文を読まなくてわかっちゃうものが圧倒的に多かったんです。だから、今まで問題をしっかり読まなくても特に困ることはなかった。もしも、あなたがさっきのテストの5番や6番を問題文をよく読まなくて間違えたのだとしても、責任はあなたにあるのではなく、そんな設計になっているテキストやテストにあるのです。

 だけど、ここで問題をしっかり読んで間違えなかった生徒もたくさんいると思います。常日頃から問題文をしっかり読んで解く習慣ができている生徒とできていない生徒。小学校の4年生くらいまで、もっと言えば中2とか高1くらいまではその差があんまりはっきりすることはありません。ところが小5で割合の問題を勉強したり、中2や高1になるとその差ははっきりしてしまいます。長い間の習慣の差なのではっきりいって取り返すのはちょっとたいへんです。中学入試を受けるために塾に通っている人で、文章題や図形の問題が苦手な人はこの差が早めにあらわれたんだと思います。

どうしたら文章しっかり読んで、よく考えて解けるようになるか…

 そしたら文章題を得意にするためにはどうしたらいいのか。日頃からよく読まないと正解にならないような文章題を解いておけばいいのです。このタイプのプリントには2つの条件があります。1つめはたし算、ひき算、かけ算、わり算がバランスよく混ざっていること。2つめは、単純にキーワードだけでなに算かが判断できない問題が数多く含まれていることです。そういったプリントはどこにあるか。私も本屋さんでずいぶん探したけど見つからなかった。だから作りました。これです。



 このプリントには「ミックス文章題」(略してミク文)と名前をつけました。もし文章題が苦手なのであれば、この「ミク文」を解いてみてはどうでしょうか。1日1枚、毎日3〜5分くらいで文章題が得意になるとと思いますよ。

なに算で解いたらいいか迷っちゃうときは…

 実際に私が教えている生徒の中には「ミク文」を解いている生徒もいますが、小4くらいだとけっこう苦労するみたいです。ちょっと読んだだけではなに算で解いたらいいか判断できない…。そんなときはどうしたらいいのか。
 そんなときは図をかいてみましょう。上手に式が立てられなかったら、図で解けばいいんです。だから算数得意化プロジェクトの作成したほとんどのプリントには、計算のスペースに「図や式」と書いてあります。図だけで解ければ、別に式を書く必要はありません。
 ちょっと迷ったら、すぐに図にしてみよう。上手に図がかけるようになるともっと算数は得意になりますよ。

「ミク文」ができるようになったら…

 いくら「ミク文」が難しいといっても、毎日練習すればすらすらできるようになると思います。「ミク文」には、スコアシートがついていて、クリアの基準があります。もしもクリアできたのであればこれ以上「ミク文」に時間を費やすのは無駄なことです。
 「ミク文」がクリアできたら次は「ハイブリッド文章題」に挑戦してみましょう。「ハイブリッド文章題」とは「ミク文」の上位バージョンで、計算を2回しないと答えが出ない文章題です。計算が2回必要になるので、たしてからひくとか、わってからたすとか、組み合わせが4通りから16通りに増えより複雑になります。

 2回以上計算しないと答えの出ない問題は小学校ではあまり出てこないのですが、この2回以上の計算になれておくと図形の問題を解くときにかなり有利になります。そういった意味でもぜひ「ハイブリッド文章題」にも挑戦してください。



 さすがに「ハイブリッド文章題」になると、小6でもけっこう苦労します。普通の小学生であれば小学校卒業までに「ハイブリッド文章題」もクリアできれば文章題については十分力がついたと言えるでしょう。